「建物構造」とは、建築物の骨組みに使用されている建築材料を指します。
代表的な建物構造としては、以下の8つが挙げられます。
・木造(W造:Wood)
・アルミ造(AL造:Aluminium)
・軽量鉄骨造(S造:Steel)
・重量鉄骨造(S造:Steel)
・鉄筋コンクリート造(RC造:Reinforced Concrete)
・鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造:Steel Reinforced Concrete)
・コンクリート充填鋼管構造(CFT造:Concrete Filled Steel Tube)
・コンクリートブロック造(CB造:Concrete Block)
この8種類の建物構造をメリット・デメリット別に見ていきましょう。
木造(W造)
W造(以下、木造)は主な構造部分に木材を用いてつくられた物件です。日本の気候や風土にマッチし、これまで多くの建物が木造でつくられてきました。現在も小規模アパートなどで採用されています。
木造の最大のメリットは家賃が安いことです。木材自体のコストが低いうえ、戸数が少なく組み立てやすいので建設コストを抑えられます。
デメリットとしては、防音性がかなり低いことがあげられます。壁や天井が、石膏ボードなどの薄い素材で出来ているからです。
鉄骨造(S造)
鉄骨造とは、建物の骨組みを鉄で造られた柱や梁で組み立てた構造のことをいいます。
近代で発達した工法で、住宅だけでなく高層建築物や、大きな橋の橋梁など大型建造物も鉄骨で造られます。
鉄骨造の中でもさらに分類すると、重量鉄骨工法(中・高層建築物用)、軽量鉄骨工法(2~3階建てまでのプレハブや住宅など、小規模建築物用)の2種類があります。
重量鉄骨造は骨組みが6mm以上と厚いです。壁の石膏ボードを2重にするケースが多いので、防音性があります。
軽量鉄骨造は、素材が鉄骨なので木造よりは強度が高いです。地震ではしなりますが倒壊しづらいです。
重量鉄骨造の家賃は、RC造とほぼ同じでやや高いです。一概には言えませんが、鉄骨に厚みがある建物ほど家賃が高くなる傾向にあります。
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)
SRC造は鉄筋コンクリートに鉄骨を組み合わせた材料です。SRC造の柱を例にすると、柱の芯に鉄骨があり、その周りをRCで包んだ構造です。鉄骨のしなやかさと、鉄筋コンクリートの強さを兼ね備えています。
SRC造は、建物構造の中でも最も性能が良いです。防音性・耐震性・耐火性・耐久性に優れています。
SRC造のデメリットは家賃が高いことだけです。鉄骨や鉄筋などの材料費が高い、骨組みを作る際の工程が複雑、大規模な建物が多く建設期間が長いため、コストがかかるせいです。
鉄筋コンクリート造(RC造)
鉄筋コンクリートは、鉄筋とコンクリートを組み合わせた材料です。コンクリートは石に近い性質を持っており、圧縮(押される力)には強いですが、引張りの力には弱いです。そこで引張力に強い鉄筋を組み合わせることで、とても優秀な材料になりました。
RC造は、素材にコンクリートが使われています。厚みがあり音を通しにくいので、防音性が高めです。
通気性が悪く、夏は室温が高くなりやすいです。暑さが苦手な人は、やや住みづらいと感じます。
外の気温と室温に差が大きい場合は、結露が発生しやすいです。カビの原因にもなるので注意しましょう。
コンクリート充填鋼管構造(CFT造)
CFT造は、住宅ではあまりお目にかかることは無いと思います。CFT造は、鋼管の中にコンクリートを充填することで、しなやかな鉄骨造に強さが備わった材料です。SRC造と似ていますが、CFTは鋼管の中にコンクリートを入れる点が異なります。
耐久性が非常に高く、タワーマンションや高層ビルなどに用いられることが多いです。
アルミ造(AL造)
まだまだ数は少ないですが、増えつつあるアルミ造。文字通り、アルミニウムを構造材料として利用した建物構造です。アルミの最大の特徴は軽さです。鉄骨と比べて1/3程度なので、地震が起きた時でも有利です(地震力は建物重量に依存するため)。
アルミの特性上、サビや腐食に強いです。潮風の影響を受けにくいので、海沿いの物件でアルミ造が採用されはじめています。