賃貸物件の居室内で害虫が発生した場合、基本的には駆除などの責任は入居者にあるとされています。
賃貸借契約において、入居者には一般的・客観的に要求される程度の注意をしながら生活を送る義務(=善管注意義務)が課されています。このため、害虫の侵入を防止する責任も、基本的には入居者にあると判断されます。
一方、大家さんが駆除費用を負担しなければいけない例外も存在します。
害虫があまりにも大量に発生している場合。状況によっては、専門の害虫駆除業者への駆除を依頼しなければならないこともあります。
そういった場合、駆除費用は基本的に個人負担になりますが、条件によっては管理会社・大家さん側が費用を負担するケースもあります(珍しいケースです)。
参考までに一例をご紹介しておきたいと思います。
排水管のつまりや劣化
水回りには、水気を好む害虫が多くいます。
主に、排水トラップのつまりやぬめり、排水管の劣化などが考えられます。
害虫は、小さな隙間でも簡単にとおり抜けてしまうので、引っ越しする前に確認しておきましょう。
また新築であっても、まわりの環境や構造によって害虫の発生につながる場合もあります。
配管自体の不具合によって、詰まりやすくなり害虫が発生しているのであれば、大家さん側で負担してくれる可能性が高いでしょう。
住んでいる環境
新築は綺麗で害虫も出ないと思いがちですが、周辺の環境によっては室内に侵入しやすくなります。
たとえば日当たりの悪い部屋で、周辺が自然豊かである立地条件です。
近くに公園がある物件は人気がありますが害虫が発生しやすいようです。
また、日当たりが悪いと湿度が高くなりやすく害虫が好む環境になります。
ですから、部屋を換気したり除湿器を使ったりと湿気がこもらないような工夫が必要です。
建物の老朽化
築年数が古い物件の場合、経年劣化による傷みが原因で隙間ができて、虫が侵入しやすくなってしまいます。
したがって、どれだけ注意していても発生しやすいのです。
害虫と言っても、見かける場所や種類に違いがあります。
築年数が古い物件であれば、雨漏りにより白アリの発生やゴキブリが配管から侵入の可能性が高くなります。
まとめ
賃貸住宅で害虫と遭遇したときは、まず侵入経路をふさいでから駆除・予防をすると効果的です。また、害虫が発生した原因が建物の老朽化や工事の不備などのときは、管理会社や大家さんが駆除費用を負担するケースもあります。
物件選びの時点で、害虫が出ない環境かどうか調べておくのも重要な対策の一つです。